犬の缶詰イメージ

シニア犬の食事管理

高齢犬にウェット(ソフト)タイプのドッグフードを与えてもOK?

2019年1月24日

「カリカリドッグフードが喉に詰まりやすくなった」

「咀嚼力が落ちてきた」

「最近食欲がなくなってきたみたい」

 

高齢の愛犬の食事事情にお悩みの方も

多いかと思います。

 

カリカリフードがダメなら、と次に候補に上がるのは

ソフトなウェットタイプのドッグフード(缶詰・パウチ)

ではないでしょうか。

 

とは言え餌のタイプをガラッと変えるのは

不安が大きいものですよね。

 

今回は高齢犬にとってのウェットフードの

メリット・デメリットについてのお話です。

 

ウェットフードが高齢犬にもたらすメリット

うれしいシニア犬

ウェットフードは高齢犬にとって

このようなメリットがあります。

 

メリット①柔らかくて噛みやすい

ドライフードとの一番の違いはここですね。

 

咀嚼力、嚥下力が衰えはじめた高齢犬にとって

カリカリフードを食べることは苦痛な場合があります。

 

食事の硬さが変わるだけで食事へのストレスが減り

再び食事に対して前向きになれる可能性が高いです。

⇒老犬のストレス、どうやって解消したらいいの?

 

ドライフードをふやかして与えるのにも

同様の効果があります。

 

メリット②食事と水分を一緒に摂れる

老化が始まると水を飲む量が減っていきます。

 

ウェットフードであれば75%程度の

水分量がありますから、

食事が水分摂取にも役立ちます。

 

もちろん、これだけに頼らず

こまめに水分補給を行う必要はありますが

食欲がないときに一度で栄養も水分も

摂取できるのは助かりますよね。

 

メリット③風味が強く食欲増幅効果がある

犬の鼻イメージ

ウェットフードはドライフードに比べて

香りや風味が強いのが特徴です。

 

高齢犬になると嗅覚や味覚などの感覚器官が衰え、

食事を楽しめなくなる場合もありますから

ウェットフードの強い風味は、

食事に意欲をなくした高齢犬に対して

効果がある場合があります。

 

少しだけ温めると、さらに香りが引き立ちますよ。

 

メリット④これ一つでバランス良い栄養摂取が可能

これはカリカリフードも同様ですが、

ドッグフードは総合栄養食なので

その商品だけを食べていても

基本的に単品で必要な栄養素が摂取できます。

⇒高齢犬に必要な栄養素とは?

 

一方、手作りごはんの場合だと

柔らかさや水分摂取は手軽にできますが

栄養バランスを取るのは、

知識のない素人には少し難しいですよね。

 

ちなみにウェットフードには

「副食」「一般食」というタイプがありますが

これらはいわゆる”おかず”のようなもので

単品で必要な栄養は補えません。

 

カリカリフードの代用として使うのであれば

必ず「総合栄養食」タイプのものをお求めください。

 

ウェットフードが高齢犬にもたらすデメリット

悲しそうな犬

デメリット①歯につきやすい=歯垢が溜まりやすい

柔らかいので口腔内に食べカスが残りやすいという

デメリットがあります。

 

食べカスは歯垢となり、その後歯石化し

放置していたら歯周病の原因となる恐れがあります。

 

歯周病は口の症状以外にも感染症や内臓疾患に

繋がる可能性もある怖い病気です。

 

食後や夜寝る前などに必ずデンタルケアが必要です。

 

とは言え、ドライタイプだったら

食べカスが残らないわけではないので

どんなタイプのごはんでも必ずケアは行いましょう。

 

デメリット②一食の量が多い

水分量が多いウェットフードは

ドライフードに比べて栄養凝縮度が低いため

給餌量も多くなります。

 

食いしん坊には嬉しいかもしれませんが、

食べる量が減ってきている高齢犬にとっては

ちょっと大変ですよね。

 

一度に食べきれないのなら回数を分けて

与えるようにしましょう。

 

デメリット③管理が大変

犬の缶詰イメージ

ウェットフードは一缶一食分とは限りません。

 

一つの商品を何回かの食事に分けて食べきる場合が

多いのではないかと思いますが、

缶詰の残りをそのまま冷蔵していたら

品質の劣化が早まります。

 

密閉容器に小分けにして2~3日(商品による)で

食べきる必要があります。

 

あくまで私の経験ですが、

冷凍保存なら1ヶ月程度大丈夫です。

 

デメリット④常温で傷みやすい

ウェットフードは水分量が多いため

温かい室内に長時間おいておくと

腐ってしまう恐れがあります。

 

暑い季節には、

時間をかけて少しずつ食べる子や

気分が向いた時にちょこちょこ口にする子は

向かないかもしれませんね。

 

デメリット⑤良くない成分が入っているものもある

NO!

ウェットフードはドライフード以上に

”嗜好性”にこだわっている商品が多い印象です。

 

たとえば脂質を高めたり、香料、着色料など

犬からしたら本来必要のない原料

たくさん添加されている場合があります。

 

また、ドライフードも同様ですが、

穀類でかさ増しをしている商品の場合は

高齢犬の消化吸収に負担をかけてしまいます。

⇒ドッグフードに配合される”要注意”な原料とは?

 

これに関しては原材料をよく調べて

良質な商品を選ばないといけません。

 

まとめ:高齢犬にウェットフードはオススメ?

ドライフードを食べるのが苦痛であれば

柔らかい食事に切り替えなければなりません。

 

ドライフードを愛犬が気に入っていて、

健康状態も良好であれば、

そのフードをお湯で戻して与えることを

一番におすすめします。

 

ですが、食事の意欲も低下しているような場合は

ウェットフードに切り替えるのも手です。

 

ただし、一度ウェットフードの味を知ったら、

ドライフードをふやかしても

食べない場合もあるということは頭に入れておきましょう。

 

とは言え、高齢犬にとって

食事は最も重要な健康対策です。

 

食べられなくなると、とたんに病気になったり

歩けなくなる場合もありますから、

愛犬が最も食べてくれる方法を選択することが一番です。

 

 

 

 

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