「カリカリドッグフードが喉に詰まりやすくなった」
「咀嚼力が落ちてきた」
「最近食欲がなくなってきたみたい」
高齢の愛犬の食事事情にお悩みの方も
多いかと思います。
カリカリフードがダメなら、と次に候補に上がるのは
ソフトなウェットタイプのドッグフード(缶詰・パウチ)
ではないでしょうか。
とは言え餌のタイプをガラッと変えるのは
不安が大きいものですよね。
今回は高齢犬にとってのウェットフードの
メリット・デメリットについてのお話です。
目次
ウェットフードが高齢犬にもたらすメリット
ウェットフードは高齢犬にとって
このようなメリットがあります。
メリット①柔らかくて噛みやすい
ドライフードとの一番の違いはここですね。
咀嚼力、嚥下力が衰えはじめた高齢犬にとって
カリカリフードを食べることは苦痛な場合があります。
食事の硬さが変わるだけで食事へのストレスが減り
再び食事に対して前向きになれる可能性が高いです。
ドライフードをふやかして与えるのにも
同様の効果があります。
メリット②食事と水分を一緒に摂れる
老化が始まると水を飲む量が減っていきます。
ウェットフードであれば75%程度の
水分量がありますから、
食事が水分摂取にも役立ちます。
もちろん、これだけに頼らず
こまめに水分補給を行う必要はありますが
食欲がないときに一度で栄養も水分も
摂取できるのは助かりますよね。
メリット③風味が強く食欲増幅効果がある
ウェットフードはドライフードに比べて
香りや風味が強いのが特徴です。
高齢犬になると嗅覚や味覚などの感覚器官が衰え、
食事を楽しめなくなる場合もありますから
ウェットフードの強い風味は、
食事に意欲をなくした高齢犬に対して
効果がある場合があります。
少しだけ温めると、さらに香りが引き立ちますよ。
メリット④これ一つでバランス良い栄養摂取が可能
これはカリカリフードも同様ですが、
ドッグフードは総合栄養食なので
その商品だけを食べていても
基本的に単品で必要な栄養素が摂取できます。
一方、手作りごはんの場合だと
柔らかさや水分摂取は手軽にできますが
栄養バランスを取るのは、
知識のない素人には少し難しいですよね。
ちなみにウェットフードには
「副食」「一般食」というタイプがありますが
これらはいわゆる”おかず”のようなもので
単品で必要な栄養は補えません。
カリカリフードの代用として使うのであれば
必ず「総合栄養食」タイプのものをお求めください。
ウェットフードが高齢犬にもたらすデメリット
デメリット①歯につきやすい=歯垢が溜まりやすい
柔らかいので口腔内に食べカスが残りやすいという
デメリットがあります。
食べカスは歯垢となり、その後歯石化し
放置していたら歯周病の原因となる恐れがあります。
歯周病は口の症状以外にも感染症や内臓疾患に
繋がる可能性もある怖い病気です。
食後や夜寝る前などに必ずデンタルケアが必要です。
とは言え、ドライタイプだったら
食べカスが残らないわけではないので
どんなタイプのごはんでも必ずケアは行いましょう。
デメリット②一食の量が多い
水分量が多いウェットフードは
ドライフードに比べて栄養凝縮度が低いため
給餌量も多くなります。
食いしん坊には嬉しいかもしれませんが、
食べる量が減ってきている高齢犬にとっては
ちょっと大変ですよね。
一度に食べきれないのなら回数を分けて
与えるようにしましょう。
デメリット③管理が大変
ウェットフードは一缶一食分とは限りません。
一つの商品を何回かの食事に分けて食べきる場合が
多いのではないかと思いますが、
缶詰の残りをそのまま冷蔵していたら
品質の劣化が早まります。
密閉容器に小分けにして2~3日(商品による)で
食べきる必要があります。
あくまで私の経験ですが、
冷凍保存なら1ヶ月程度大丈夫です。
デメリット④常温で傷みやすい
ウェットフードは水分量が多いため
温かい室内に長時間おいておくと
腐ってしまう恐れがあります。
暑い季節には、
時間をかけて少しずつ食べる子や
気分が向いた時にちょこちょこ口にする子は
向かないかもしれませんね。
デメリット⑤良くない成分が入っているものもある
ウェットフードはドライフード以上に
”嗜好性”にこだわっている商品が多い印象です。
たとえば脂質を高めたり、香料、着色料など
犬からしたら本来必要のない原料が
たくさん添加されている場合があります。
また、ドライフードも同様ですが、
穀類でかさ増しをしている商品の場合は
高齢犬の消化吸収に負担をかけてしまいます。
これに関しては原材料をよく調べて
良質な商品を選ばないといけません。
まとめ:高齢犬にウェットフードはオススメ?
ドライフードを食べるのが苦痛であれば
柔らかい食事に切り替えなければなりません。
ドライフードを愛犬が気に入っていて、
健康状態も良好であれば、
そのフードをお湯で戻して与えることを
一番におすすめします。
ですが、食事の意欲も低下しているような場合は
ウェットフードに切り替えるのも手です。
ただし、一度ウェットフードの味を知ったら、
ドライフードをふやかしても
食べない場合もあるということは頭に入れておきましょう。
とは言え、高齢犬にとって
食事は最も重要な健康対策です。
食べられなくなると、とたんに病気になったり
歩けなくなる場合もありますから、
愛犬が最も食べてくれる方法を選択することが一番です。