7歳以上のシニア犬になると、
これまでの口腔ケアの影響が良くも悪くも
顕著に現れてきます。
もしこれまでケアを怠っていたのなら
口臭、歯茎の変色や歯のグラつき、歯抜けなど
歯周病予備軍と思われる諸症状が
見受けられるのではないでしょうか?
シニア犬の歯周病回避には歯磨きが必須
歯磨きを怠ることで起こる病気の代表として
歯周病があげられます。
では歯周病の何が危険なのかご存知ですか?
歯周病は歯垢の蓄積によって歯茎に炎症が起こる
病気というイメージが強いかと思います。
しかしそれが進行していくと、
構内の細菌が全身を巡って肝臓や腎臓の病気を
引き起こしたり、細菌が顎の骨や頬の骨を溶かしたり、
感染症を引き起こしたりと命も危ぶまれる
恐ろし~い病気のきっかけとなる場合があるのです。
とりわけ、シニア期以降になると抵抗力も落ちるため
口腔内の細菌の悪い影響を受けやすくなります。
だからこそ、シニア犬の口腔ケアは
とても重要というわけです。
歯磨きガムを与えるだけでは歯がきれいにならない?
歯磨きガムに興味・関心を持ち、
この記事に訪れてくださったあなたは
とても意識の高い飼い主さんでしょう。
もしかしたら愛犬の歯を磨きたいけど、
どうしても上手く行かないから
せめて歯磨きガムで口腔ケアできたら…
と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに歯磨きには専用の歯ブラシや
歯磨きシートが最も効果的です。
ですが仔犬の頃から習慣がなければ
それが難しい(危険な)場合もありますよね。
そこで頼りにしたい”歯磨きガム”ですが、
どの商品を使っても効果がイマイチ…
本当に使う意味があるのか不安…
とお悩みの方もいらっしゃるかと思います。
正直言いますと、歯磨きガムを与えるだけで
歯が見違えてキレイになるなんていう
ウマい話はありません。
歯磨きガムは魔法のアイテムではなく
道具の一種に過ぎませんから、
正しい使い方のコツを押さえて
取り入れてみてくださいね。
シニア犬はどんな歯磨きガムがオススメ?
歯磨きガムといっても市場に出回っているものの
素材や原材料はさまざまですよね。
それらの中でのオススメは
原材料がシンプルなものです。
例えば鶏肉を干した物とか、豚耳などは
素材が明確で安心できますよね。
他にはさまざまな素材を撹拌し、混ぜ合わせて
人工的に成型した歯磨きガムもありますが、
この場合は、原材料表を見てください。
- 穀類が多用されていない
- ”肉類””穀類”などのように原材料が大雑把に記載されていない
- 保存料や着色料など無駄な添加物が入っていない
- できれば栄養添加物も控えめなもの
このような基準で選んでいただければ
いいと思います。
そして素材の硬さですが、
咀嚼力も元気も満々なシニア初期の子なら
あまりこだわらなくても大丈夫です。
それ以外の場合は商品を触ってみて
弾力を感じる、適度にしなるもの、
またはシニア犬の使用を推奨している商品
などを基準に選びましょう。
硬い骨や太いアキレスよりも
ソフトタイプのスティック状のガムや、
豚耳など柔らかめの食材をおすすめします。
歯磨きガムで”歯磨き”をする方法
あなたは歯磨きガムを与えるとき
愛犬の好きなように食べさせていませんか?
それではせっかくの歯磨きガムの効果も
半減してしまいます。
人間も同様ですが好きなように食べるときは
噛みやすい歯だけで咀嚼したり、
噛む回数が不足たりしますよね。
ですから歯磨きガムを与える際は
飼い主の主導で噛ませることが重要です。
歯磨きガムを飼い主さんがしっかりと握り、
奥の臼歯や犬歯など歯垢が付きやすい歯で噛ませるように
リードしてあげてください。
たとえば歯の側面の歯垢を落としたいのなら
歯の側面と平行になる角度でガムを持つという感じで
ガムの角度を調整しましょう。
(歯ブラシをあてがうイメージで)
1日5分間行うだけでも
ただ歯磨きガムを与えるのよりずっと効果がありますよ。
毎日行うと栄養面が不安という方は、
2~3日に一度ぐらいのペースで行ってください。
歯垢が石灰化する期間は3~5日と言われていますから
この間隔以上に口腔ケアの間隔が開かないように
注意しましょう。
もしすでに歯が抜けている、歯が痛そうなどの
症状がある場合は一度病院へ行くことをおすすめします。